セルフシャドウと照明
MMDでモデルを綺麗に見せる重要なポイントに「影」があります。影の出方、落ち方によって見た目の印象に大きな差が生まれるため、いかに影を制御するかが重要な鍵になってきます。
MMD標準で描写できる影は、けしてものすごく高品質というわけではなく、結構ギザギザするので高品質な影描写が出来るエフェクトを使う方も多くいます。その場合、どうしても重くなることが多いです。MMD標準シャドウでも、最適な設定をすればそれなりに綺麗に描写することができるので、まずはMMD標準シャドウをきちんと設定していきましょう。
セルフシャドウ
MMDの標準シャドウであるセルフシャドウは、描写範囲を変更することができ、描写範囲が狭いほど綺麗な描写が可能となっています。だからといって闇雲に狭めては必要なところに影が落ちなくなってしまうので、影が必要な範囲をきちんと把握して設定することが重要です。
Steps
- [セルフ影操作パネル]「モード1」が青くなっていることを確認し、なっていなければクリックして選択状態にします。
- Shift+Gでセルフシャドウ描写範囲を出します。
- 水色のシルエットが薄くなったり、はみ出さないように注意しながら、影範囲のスライドバーを動かします。(影範囲3774)
- Enterを押すか登録ボタンで確定後、セルフ影のキーフレームが赤くなったことを確認します。
- Shift+Gでセルフシャドウ描写範囲を消します。
セルフシャドウには全距離を平均的に描写する「モード1」と遠距離まで描写する際に、中遠距離を荒くする代わりに近距離をキレイにする「モード2」があります。が、私の実感としては、あんまりモード2でいい結果を得られたことがないので、よっぽどのことがなければ「モード1」で良いと思います。
セルフシャドウの操作は「Shift+G」で描写範囲を確認しながらやると良いでしょう。この範囲の中で水色のシルエットがはみ出さず、色が薄くなったりしないように注意しながら、なるべく「綺麗(描写範囲を狭く)」に寄せるようにします。
- Point!
-
- Shift+Gでセルフシャドウ描写範囲が確認できる
照明の設定
セルフシャドウがどのように落ちるかを決めるのは、照明設定です。この影の落ち方によって、印象がかなり変ってくるのできちんと設定しましょう。デフォルト値のままだけは絶対にオススメしません。
順光がいいか逆光がいいかは、その作品に合せてケースバイケースです。逆光だとドラマチックになるので、好む方は多いかもしれません。順光を真正面から当てると、ポップで明るい印象になります。雰囲気に合わせて照明をあてていきましょう。
照明位置の設定
照明操作パネルの操作は、他のものと同様にスライダーを動かすか数値入力で操作ができます。
Steps
- 「X」を-0.4へ変更します。
- 「Y」を-0.6へ変更します。
- 「Z」を+0.8へ変更します。
- Enterを押すか登録ボタンで確定後、照明のキーフレームが赤くなったことを確認します。
リアルタイムに影の位置が変わるので、試しに色々動かしてもらうと分かりやすいと思います。今回はモデル右手前方向から照明を当てて、モデルの顔半分に影が落ちるようにしました。続いて照明の色を設定します。
照明色の設定
Steps
- 「赤」を146へ変更します。
- 「緑」を142へ変更します。
- 「青」を126へ変更します。
- Enterを押すか登録ボタンで確定後、照明のキーフレームが赤くなったことを確認します。
照明の色は数値が大きいほど明度が高く、逆に低いほど暗くなります。また、赤緑青のバランスによって様々な色合いを作り出すことができます。今回は、柔らかい日差しの午後のイメージで、やや赤みのある黄色に設定しました。
これを例えば、全体的な明度をさげつつ赤みを強くすると夕暮れっぽくなりますし、
逆に青みを少しだけ他よりあげると、夜っぽくもなります。
カットごとの設定
影はカメラの位置が変ると見え方も変わるので、動画や2カット以上ある静画ではカットごとにセルフシャドウと照明の設定が必要になる場合があります。
折角なので、キーフレームを1に進めてバストショットの設定を自分なりでいいのでやってみましょう。私の設定値は画像を参考にしてください。
私はこんな感じになりました。
これでセルフシャドウと照明の設定は完了です。お約束の保存をしましょう。大分完成が見えてきましたね。あともう少し、頑張りましょう!