MMD Supporter

投稿準備

ここまで長らくお疲れさまでした! 本セクションでは投稿に向けて、画像の出力とクレジットの作成を行っていきます。

出力

Steps
  1. カメラモードにします。
  2. 「美影」モードをクリックしてオンにします。
  3. 「座標軸」がオフになっていることを確認します。なっていなければ確実にオフにしましょう。
  4. [ツールバー > ファイル > 画像ファイルの出力]の順に選択して、保存ウィドウを出します。
  5. 保存場所はどこでも構いませんが、作業中のプロジェクトフォルダが分かりやすいでしょう。
  6. ファイルの種類を「png形式」にして、任意のファイル名で保存します。
出力手順

美影モードはセルフシャドウの描画を少し高品質にする機能です。当然動作が重くなるので、通常はオフにしておき、出力の段階でオンにします。また出力はプレビュー画面に表示されているものすべてが出力されるので、座標軸は忘れずにオフにしましょう。

ファイルの形式に関しては、お好みがあればもちろんそれで構いません。とくにこだわりがない、あるいは画像の形式とか言われても分からないよって方は、「png形式」にしておくと、加工などで上書き保存しても劣化しないファイルになります。jpgよりは少し重くなりますが、TinyPNGなどの圧縮サービスや、Photoshopをお持ちならWEB最適化で容量を小さくすることが可能です。

Point!
  • 出力直前に美影モードをオンにする。
  • 座標軸は必ずオフにしておく。
  • ファイル形式はpngがオススメ。

クレジット情報の収集

クレジットとコンテンツツリー登録とは

静画の出力ができたら、あとはクレジットの準備をしましょう。MMDは借り物文化で成り立っています。それぞれお借りしてきた物は善意で配布されていますが、著作権は制作者に帰属します。場合によっては規約でクレジット表記が義務付けられている場合もありますが、義務の有無で分けるのではなく、一律してお借りしたものは敬意をもってクレジット表記するのが望ましいです。

クレジットには一般的にモデル、アクセサリ、ステージ、スカイドーム、エフェクト、ポーズ、モーション、楽曲名、音源、使用したソフトとそれぞれの制作者名を記載します。加えて、ダンスモーションのトレース元が明記されている場合は、トレース元も記載すると良いでしょう。

またニコニコ動画/静画に投稿する場合は、「コンテンツツリー」にお借りしたものを親登録しましょう。コンテンツツリーに親登録することで、お借りしたものの宣伝になると共に、配布者のもとに通知が行くことになります。モデラーさんは特に、世に出した我が子の活躍を見守りたい親心をお持ちなので、規約に「コンテンツツリー登録は任意です」と記載されていも、登録すると喜ばれます。折角なのでコンテンツツリー登録をすることを推奨します。

また配布物をBowlRoll経由でDLした場合は、ぜひBowlRollさんもコンテンツツリーに親登録しましょう。ニコニコには「クリエイター奨励プログラム」というプログラムがあり、クリエイター登録されているアカウントの作品は、コンテンツツリーの親登録数によりスコアが付与され、現金に換金することができます。BowlRollさんは、MMD関連の配布物のアップローダーとして広く利用されていますが、その運営は個人の方が自費でされています。サーバー維持費など決してお安いものではないので、運営維持費のサポートとして親コンテンツに登録しましょう。

情報収集
アプリ情報の収集

クレジット及びコンテンツツリー登録にあたり、プロジェクトで使用したアイテムやソフトの「制作者名」及び「配布動画/静画ID」を収集する必要があります。アプリ(ソフト)などは毎回使用するものは固定になると思うので、クリップボード補助ツールや辞書に登録しておくか、テンプレートを作成しておくと便利です。win10にはクリップボードにピン留めする機能などもあるので、使い勝手のいい方法で保存しましょう。下記図で私が使用しているのは「Charu3」というフリーソフトです。テキストをテンプレートとして登録し、ショートカットで呼び出すことが出来る入力支援ソフトです。とても便利。

アプリケーションクレジット

固定のクレジット情報をクリップボード補助アプリに登録して、必要な時に呼び出す

本講座で使用したアプリやツールの情報は以下となります。
  • MikuMikuDance 樋口M sm2420025
  • MikuMikuEffect 舞力介P sm12149815
  • PMXEditor 極北P
  • BowlRoll im4855495
  • MMDリストメーカー Naz. sm36936215

しれっとこの後ご紹介する自作ツールを混ぜていますが、こちらに関してはクレジットは任意です。個人的にはとても便利だと思うので、ぜひしていただけると、今後の開発の励みになりますので、よろしくお願いいたします。

プロジェクト使用アイテムの収集

毎回共通のアプリと違い、モデルやエフェクトなどプロジェクト毎に使用アイテムが変るものは、都度クレジット情報を収集する必要があります。一つずつ使用したものをリストアップして、情報を集めるのは中々骨が折れる作業ですが、セクション4でお伝えした「データ管理」がここで活きてきます。

現在、みなさんのお手持ちのアイテムは下記のようにクレジットに必要な情報が詰まったフォルダ名で保管されている状態です。これを活用することで、比較的簡単にプロジェクトごとのクレジット情報を収集することができます。

UserFileフォルダの中の手持ちアイテム

MMDリストメーカー

MMDリストメーカーとは、MMD(MME)を使用した時に生成されるemmファイルから、そのプロジェクトで使用されたpmx/x/fxファイルを抽出し、リストアップするオンラインツールです。既にみなさんのお手持ちのアイテムは、フォルダ名にすべてのクレジット情報が詰まっているため、MMDリストメーカーを使用することで、プロジェクトに使用したクレジット情報を自動で抽出することができます。

Steps
  1. MMDリストメーカーにアクセスします。当サイト上部のList Makerからもアクセスできます。
  2. 『ファイル選択』ボタンを押します。
  3. 今回のプロジェクトフォルダを開きます。
  4. 「○○.emm」という拡張子のファイルを選択します。
  5. 以下2つのオプションにチェックを入れます。
    • フォルダ名リストにする
    • パスからUserFileを除外する
  6. アップロードボタンを押します。
  7. 保存先に3と同じ今回のプロジェクトフォルダを指定して、生成される『list.txt』ファイルを保存します。
MMDリストメーカー利用手順

それでは今DLした『list.txt』を開いてみましょう。オプションのフォルダ名リストにチェックをいれたので、クレジット情報が全て詰まったフォルダ名のみのリストが作成されました。これに先ほど収集したアプリのクレジット情報を追加すれば、クレジット情報の収集は終了です。

list.txt

あとはアプリのクレジット情報を追加して、並び替えたり体裁を整えれば、そのままコピペして使えるクレジット情報になります。お好きなように煮るなり焼くなりしてご利用ください。なお、番外編では収集したクレジット情報を高機能テキストエディタを使用して、データとして扱いやすい形に整形する方法について、解説しています。詳しくは『番外編 高機能テキストエディタのススメ』をご覧ください。

番外編 高機能テキストエディタのススメ

体裁を整えたクレジット

必要な情報を書き足したり、不要な部分を削除して体裁を整える

MMDリストメーカーを活用すると、このようにクレジット情報の収集をある程度自動化することができます。ただし、いくつか注意点があります。MMDリストメーカーはemmファイルを基にしているため、emmファイルに情報が載らないものはリストアップすることができません。具体的に言えば、エフェクトに関係ないモーションデータ・ポーズデータ・音源データに関する情報は抽出されません。静画ではポーズを使用しない限り、ほぼ全てのクレジット情報をリストアップすることができますが、動画の場合はこれらの情報を手動で書き加える必要があります。

また今回使用したオプションの「フォルダ名リスト」ですが、emmに記載されたパスと呼ばれるファイルがどこにあるか示した経路の中から、最下層のフォルダを抽出するので、PowerShaderのようにPowerShaderフォルダの中に更にShaderフォルダがある場合は、別データとして2行分重複したリストが出力されます。今回はlist.txtの4行目と5行目がそれにあたります。

この2点に関しては仕様ですので、お気をつけてお使いください。

終わりに

さて、それではお手元をご確認ください。今回ここまでワークショップを頑張ったあなたの手元には、『静画作品』と『クレジットリスト』があるはずです。あとはこれを投稿すれば、晴れて貴方もMMDerです!おめでとうございます!そして、ようこそ!

これにてMMD初心者向け講座「今日からMMDer!」は完結です。 ここまで本当にお疲れさまでした。MMD作業はどうでしたか?楽しかったでしょうか?今回はワークショップということで、貴方の好みの作品が作れたわけではありませんでしたが、このワークショップを通して、MMD制作を楽しんでいただけたなら、そして2作目、3作目の足がかりにしてもらえたら、私としては本望です。

今後MMDを続けていくと、きっと壁にぶつかることもあると思います。私もいまだにあります。突然原因不明で材質が消えて戻らなかったりとか...そんなときは、ツイッターで「こんな現象が起きて困っている」と助けを求めましょう。誰かしら答えを持っています。そしてMMDerは結構みんな困ってるMMDerを助けるのが好きなので、きっと誰かが貴方の力になってくれるでしょう。ちなみに、私の原因不明の材質が消える問題も「物理切って別名保存するとなんとかなる」と教えていただきました。そして本当になんとかなりました。原理は不明のままですが。私も、聞かれれば自分の分かる範囲で答えるので、何かあれば@MmdSupporterまで、お気軽にどうぞ。でも私も周りが思ってるほど実は結構わかってない。

あと今回はワークショップを執筆するにあたって、被写界深度だとかフルフィギュアだとか広角レンズだとか専門用語も出ましたが、別にそんな専門知識なんかなくても大丈夫です。知識としてあれば役には経ちますが、私も普段はそこまで具体的に難しいことは考えていません。大切なことは「推しの!この角度が!!可愛い!!!」という情熱と推しを可愛く撮るための試行錯誤です。

なので、今回難しい話がうまく理解できなかったとしても、何ら問題ありません。ただただ推しを眺めて楽しんでください。それがMMDです。

それでは、みなさま良きMMDライフを!